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昔のファイルを発見しました 2

 三日月が空に姿を現し、こぼれ落ちる雫が地を濡らす。
ありふれた日常から逸脱した世界は、余りにも殺伐し過ぎていた。
これが日常なのだと、教えてくれた男は既に居ない。それがちょっとだけ口惜しいような複雑な気持ちになる。
空を見上げれば暮れゆく夕闇に姿を現した月の影。丸いカタチを失った月がこちらをみて笑っているように感じた。
いっそのこと、嘲笑って罵ってくれればどれ程楽だと思ったことか。
忌まわしいほど空に浮かぶ月に思いはせる瞬間、全てを焼き尽くす想いが胸の内を漕がすのだ。
 行く年幾万離れようと、決して逃げ切りはしない存在。
これを憎悪と呼ぶのか今はまだ分かりはしないけれど、この胸の内に燻るものはそんな安いモノではないことは確かなのだ。
「好きだという気持ちを止められないと言うのなら、いっそのこと無かった事にしてしまえればよかった」

 


 悲しみよ、こんにちは。

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昔のファイルを発見しました

 また、私を置いていくのだな。
自嘲の笑みが漏れた。
何故、と叫ぶ変わりに握り締めた拳が震えている。
「君はどこまで・・・・・」
 私をのけ者にする気だ。
漆黒の瞳からこぼれ落ちる雫。俯き加減の顔からはその表情は読みとれなくとも、彼がどれ程悲痛な思いをしているのか彼を見れば一目当然である。
むしろ、彼が此処まで己の感情を出すこと程稀だというのに・・・・。
「私は、また置いて行かれたのだな」
 降り始める雨は止む気配はなく、何処までも澄み切った青空が羨ましく思った。

 

さよなら、さよなら、愛しい人

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