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紅い月2 ツナ総受けパラレル

きっと此れは夢だ。
なるほど。ひとつ頷き納得する。
夢ならば非現実など当たり前なのだ。それは夢だから。
スカルの呟きは何処までも否定的であった。手に持った袋がかさり、と音をたてる。
最強(凶)で最悪な俺様先輩二人組によってパシられている最中、スカルは意気揚々と先輩二人組の所へと戻るのだ。若干青ざめた顔だったが。









今から少しだけ遡る事数年。いや、数世紀だったか。
曖昧な記憶の最も古い部分まで遡る。優しげな穏やかな少女めいた女性がいた。
どんな名前だったのか。どんな声だったのか今では思い出せない。
ただ 余りにも穏やかな眼差しに胸に込み上げてくる何かがあった。
今更ながらそんな曖昧な記憶を大事に仕舞っていたのかと少しだけ愕然としたが、何がそんなに大事なのか分からない。
ただ言えるのは、確かにこの女性を俺は知っていた。
そして失ったのだと言うことも。
巡る季節の中に置き去りにされた最も古い記憶の欠片を集め、世界がまだ穏やかな時を刻んでいた頃、俺は確かに幸福だと言えたのだ。
あの穏やかな眼差しが好きだった。
ふふっ、と漏れ出た笑みは一瞬にして空しさ与えた。眼下に広がる世界は記憶の中よりも荒廃していたとしても、確かにそこに存在した世界があった。
此れを愛しいと言うのだろうか。
腹の底から込み上げてくるものに胸が満ち足りた気がした。
風に香る微々たる匂いが更に強く主張してくる。
昔は無かった。だが今は確かに不吉な何かを風が伝えてくる。
聳え立つ純白に染まった巨峰は厳かに存在を主張している。
昔はなかったそれが時の流れを感じさせた。

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