妄想と現実の境界線

「仲間を見捨てるわけにはいかない！」
その決意は昔も今も変わらず。だからこそ大空なのだろう。
何処までも高く、何処までも広く。常に友と仲間の為に力をふるう姿はここうだ。
遠くから成長した生徒の姿を眺め、微かに口元がこをかいた。
だがそんな思いを嘲笑うかの様に、敵に貫かれた正一の地にふっした姿を見つけた綱吉の動揺が手に取るようにわかった。
反撃のチャンスは何時でもあった。それでも仲間を最優先に気遣う綱吉の本質は変わらず甘いのだ。
常ならばその甘さが好ましいと思えるだろう。
だが今はその言葉をくれてやることは出来ない。
一言でも甘い言葉を許せば、あのダメ生徒はずにのるのだ。
それこそが今のダメ生徒の立場を更に悪化させる要因だと分かりきっていた。
終了を告げる言葉は無情にも正一の終わりも訃げていた。
仲間内からの動揺は激しく、何よりもダメ生徒の声が悲壮さを教えていた。
「これによりチョイスバトルの勝者が決まりました」
動揺のなか高らかに告げられた言葉に、勝利の笑みを浮かべる白蘭とその守護者。
「勝者さは――――ミルフィオーレファミリーです！！」

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