妄想と現実の境界線

かみさま、かみさま。どうかお願いです。僕の命をお返ししますからどうか僕の願いを叶えて下さい。願いが叶うのなら僕はどうなってもいいんです。
かみさまかみさまおねがいです。



キラキラ輝く世界は色褪せ、灰色の世界が訪れた。
一瞬に込められた憎悪が深く、大地は未だに眠りを知らない。
まだ世界は生きている。ありし日の光景は無くとも、その地に生きる人々は進化も退化も無く、生きている。
これは神に対する冒涜か。
人から進化を余儀なくされた種族は暗く、澱んだ世界の狭間で生きていた。
神の悪戯は悪意があったとしか思えない。
どれ程の時間が過ぎようと悪戯に過ぎた時間は取り戻せず、孤独は何よりの狂気。
狂い咲く桜が散る頃、夢見た世界が訪れると信じていたあの日。すべてに絶望した。

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