妄想と現実の境界線
人生 経験よりも実践である
BLEACH 藍一 3
膝から崩れ落ちる身体は重力に従い落下した。
粒子で固めた足元。浮遊感が全身を襲い、落ちる身体は思う様に足場を固める事は出来なかった。
扮さんする力を留める事が出来ず、宙を舞う紅が視界を覆う。
傷みは無かった。
一瞬なにが起きたのか理解できず、落下速度は速まりいずれ地面へと叩きつけられるのだろうと、なんとなく頭の片隅で思った。
イイ死に方はしないだろうと思っていたが、スプラッタは勘弁願いたいと思うのは傲慢だろうか。
黒崎一護は朧な視界で舞う紅の色と今にも鳴き出しそうな空を見た。
これでいいのだと思えるほど満足した人生では無かったが、ようやく逝けるのだと思えたら何だか笑いたくなった。
「それが貴方の望みっすか?」
血塗られた刃から滴り落ちる紅が幻想的に思えた。
枯れ草色の髪が雨水の如く吸い込んだ紅に笑いが込み上げてくる。
きっと彼は一生己を責め続けるだろう事は分かりきっていた。それでも伸ばされた手を振り払ったのは、甘えなのだうか。
彼なら分かってくれる、と。
違えた道の先にあったのが今なら、きっと笑って死ねる。朧気に記憶したかつての師の顔を思い出させ、今にも泣き出しそうな顔をした男と如何しても被ってならない。
覚悟が足らなかった。
ヤれると思っていたわけではない。五分五分に持ち越せればいい所だと思たのは傲慢だったらしい。
未だに一本どころか足元すら及ばない事実に泣きたくなる様な錯覚に陥る。
胸の内はとても複雑なのに、何故死ぬ間際までこんなどうしようもなく手の掛かる卑怯で傲慢で甘えたな元師に同情的な感覚を覚えるのだろうか。
「 ご め ん 」
―――――優しい雨であってほしいと 切に願う
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