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大学生ブルとジョミとフィシス



無理だった。
私には無理だったんです。
そもそも設定も何も、思いついたまま書きなぐってしまった。
何を書きたかったのか未だにわからない。何でだ?


大学生 ブルとジョミとフィシス


 その人はとても綺麗な人だった。
外見的な秀麗さや内面的な美しさが相成って、とても綺麗な型をした人間だ。
風に靡く青銀色の髪。情熱のルビーの様な瞳。薄紅色の唇。端正な中性的な面立ち。
存在そのものが絵本から飛び出た妖精と言われても頷けるほどだ。
だからと言う訳ではないが、こういう気持ちを俗に「一目ぼれ」と言うのだろう。



 研究塔からおおよそ十分程度でいけるカフェには見目麗しい男女のカップルが優雅な面持ちで午後の日差しが差し込むテラスにてお茶を楽しんでいる。
学生の大半がその男女のカップルのどちらかに淡い恋心をいただいた事だろう。そして盛大に涙したことだろう。
それほどまで見目の良いカップルである。
 初夏の風に乗って微かに漏れ聞く声は透き通るほど穏やかであり、対面に座した春の木漏れ日の様な髪を持つ女性の鈴を転がしたような笑みに自然と聞き耳を立ててしまう。
一体、二人は何を話しているのだろうか、と周りの雑音に雑じり数多の生徒の視線と好奇心を擽ってくれる二人である。
それを知ってか知らずか、おそらくは後者と思われるのだが、蒼銀色の髪の青年が苦笑交じりに対面に座した春の木漏れ日の様な髪へと手を伸ばす。
「きゃーっ!!!!」と上がる女性特有の声が午後のカフェテラスに木霊する。
そんな女性の悲鳴ともとれる声を背に、真っ白な白衣の裾を風によって靡かせながら歩く青年の太陽を思わせる程の綺麗な黄金色の髪が眼に鮮やかである。
颯爽と歩く姿は自然と眼が吸い寄せられる。それほどまでの存在感を持ちながらも、手に持った分厚い本に熱い視線を注ぐ青年は無表情ながらも微かに眼を細めて笑っているようだ。
 中性的な顔立ちながらも何処か幼さを残した青年の横顔に熱い視線があつまる。
「あらまぁ」
 ふふ、と花が綻ぶように笑う女性に対し、うっとりと眼を細めて熱心に見つめる青年。
見目麗しい二人に見つめられながらカフェテラスの前を通り過ぎる青年は一向に気づきはしない。
「あらあら。今度は何を御気に召したのかしら?ブルー」
 嬉しげに笑みを称えた鈴を転がしたような女性の声は穏やかながらも微かな不服感が入り混じっている。
それを敏感に察したブルーと青年は、また苦笑するだけにとどめて小首をかしげた。
今しがた目の前を通り過ぎた太陽を思わせる綺麗な黄金色の髪をもつ青年を思い出す。
熱心に、それこそ周りが見えなくなるほど一心に手持ちの本へと視線を注ぐ青年の横顔は普段の無表情に近い表情よりも感情豊かに嬉しさを表していたようにも思えた。
傍から見ればやはり無表情としか思えない表情も、何気に淡い色合いを称えた雰囲気がそれを見事に打ち消している。
 苦笑を紅茶で流し込み、ブルーは憂いを称えた顔に微かながらも笑みを添え
「彼の事だから、また無茶な研究をしなければいいのだけれどね」
 眼の下に薄い隈を作り、寝不足のため普段よりもふらついた足取り。
それでも好奇心を殺せずのめり込むように研究をする姿にあきれを通り越していっそ感心するほどの研究馬鹿の一面を見せる彼の青年に心配は尽きない。
「ジョミーの事ですからきっと食事も忘れてのめり込んでしまっているのでしょうね」
 サクッとしたハーブの香ばしいクッキーをひと齧り。
口の中に広がる甘さを控えたクッキーは彼の青年の好む味わいだ。
「ふふ。ジョミーが喜びますわ」
 綺麗にラッピングされ、所在無げに置かれた詰め合わせのクッキーは市販される品よりも一段と格別だ。









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