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ヴァンパイアの一生は人間の一生より長く、瞬きの様に過ぎ去る時間を止める術を知らない。





彼奴は変態だ。
正真正銘の変態の彼奴は決まった時間に現れる。黒縁眼鏡に憎たらしいほどの整った顔立ちの大半が眼鏡によって隠れ、高級なスーツが平均のとれた体を包み込んでいた。案外着痩せするタイプである。
微かに鼻孔を擽る香りは大人の男を思わせるには十分すぎた。
彼奴本来の色香が趣味の悪い黒縁眼鏡によって掻き消えはしない。むしろストイックな彼奴を演出しているほどだ。
そんな彼奴を女が放っておかないだろう事は明白だ。むしろ今まで女の影が無かった方が信憑性に欠ける。
そもそも彼奴と出会った当初はあんなナリはしていなかった。今とは正反対の別人であったはずだ。
いかに彼奴がどでかい猫を飼っていたかわかる。
 彼奴の周囲には常に女と信者まがいな奴達がいた。容姿、頭脳、性格には少々難が有ろうと彼奴自信が持つカリスマ性が常に彼奴の周囲に人を惹き付けた。
彼奴に欠点という欠点は見当たらず、それが返って俺には胡散臭く思えていたが、その頃の俺達には一切の接点は無かった。
彼奴はひとつ下の後輩で、卒業間近に控えた俺は雪の降る夜、全てを捨てた。



  ***


母親の腹から産まれおちた瞬間から運命は決まっていた。誰が決めたのか、誰が願ったのか。俺達は常に孤独を抱えていた。
それは飢えに近く、胸に空いた空虚を埋めるために人間を求めた。
果てしない業を背負い、それでも生きあがく俺達は救いなど求めてなどいなかった。ただ俺達は・・・・俺達が求めたのは。

闇は常に傍らに。孤独と背中合わせの人生に飽きていたのだろう俺は、一人の女に出会った。
平凡な、何処にでもいる様な女だった。取り分け容姿が良いわけでもなく、頭が良いわけでもない。本当に何処にでもいる様な女だった。
そんな女に餓鬼に違い飢えを癒せられる分けもなく。ただ、身に纏う闇を何を言うわけでもなく静かにそこに居た。これは愛でもなければ恋でもない。常に胸には乾きがあり、女はただそこに居る。静かに、言葉を交さない代わりに見つめてくる瞳は真っ直ぐに非難している。それが居心地悪い訳でもなく、どうでもいいと流せないほどの何かがあった。言うなれば新鮮さがあった。今までに会った事のないタイプの人間だったのだ。それがどんな感情をもとに形成されたのか知らず、女の真っ直ぐな瞳が心地良いとさえ思えた矢先、女は居なくなった。
 女は最後まで何を言う訳でもなく静かに逝った。それこそ、常と変わらず静かに。真っ直ぐな、それでもどこかかげりを見せながらも綺麗な瞳に何がうっていたのたろうか。激情を見せない静かな瞳は最後の最期にその感情を映した。
それは慈愛でも、慈しみでも無い。
それは、憐れみだった。
最後の最期に見せた女の意地とプライド。笑えるほど人間らしい感情。人形の様な女が笑わせる。



 

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絶対チルドレン~ピンチです親爺さん


 昔の書きかけを載せてみました。
ずいぶん昔すぎて何を書きたかったのかサッパリ。でもまだ続く予定なのが不思議。
これから書こうとは今は思ってないんですが、気が向いたら続きを書こうかな?・・・と。


リボ様とツナ様の出会い編です。
ツナ様は思いっきりスレてます。そんでもってマフィアボンゴレの後継者。
それが嫌で家出中。心配した九代目とパパンがお迎えに頼んだのがリボ様。


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最近ますますネタが浮かばなく日々悶々とする毎日です。

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